日本経済新聞の文化面「私の履歴書」をご存知でしょうか。知識人や文化人が一定期間自身の半生を綴るコラムで、僕は毎日楽しみにしています。
普段は何某会社の会長とか政治家の方であることが多いのですが、新年1人目は指揮者の小澤征爾さんなんですよね。
確か14日の掲載分でシャルル・ミュンシュのことを書いていて、その中でベルリオーズの『幻想交響曲』を「なんという瑞々しい音楽」と表現していました。どうやったらあんな音が出せるんだと、そのあと小澤さんは努力してミュンシュに師事するまでに至るわけですが、瑞々しい音楽とは一体どういったものなのでしょうか。
瑞々しいを辞書で引くと、“光沢があって若々しい。また、新鮮で生気がある。”となっています。
トマトなんかをかじって、それが新鮮で美味しかったり、ジューシーだったりすると、「瑞々しい!」と嬉しくなることがありますよね。
トマトでは前者の“光沢があって若々しい。”も当てはまりそうですが、音楽では、後者の“新鮮で生気がある。”が近いニュアンスだと思います。
瑞々しい音楽。
想像できたでしょうか?
派手な衣装や、楽器を掲げたりするパフォーマンスの部分は瑞々しい音楽には含まれません。耳だけで受け取る、出てくる音そのもののことです。
同じ作曲家の同じ曲目でも指揮者の解釈や、演奏者の技量(楽器を操るテクニックのことではなく音楽の表現力)で伝わり方に雲泥の差があります。
当時の小澤青年にとってミュンシュの音楽は、それは水を得た魚のような活き活きとしたものだったのでしょう。
クラシック音楽の困ったところは、同じ作曲家の同じ曲のCDが何十、何百と存在していることです。それも録音技術の発達していない過去の演奏に名演があったりします。
現代で瑞々しい音楽に出会いたいなら、やはりCDなどの録音ではなく、生の音楽を聴くことでしょう。
アミューズ・ウィンド・オーケストラも瑞々しい音楽を奏でられるよう日々精進せねば!
というわけで以上、話がまとまりませんが今日はこの辺で。
【アミューズ・ウィンド・オーケストラの定期演奏会に是非お越し下さい!】
Amuse Wind Orchestra
第18回定期演奏会
2014年2月22日(土)
18:40開場
19:00開演
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